CANDY*BOX〜天使と悪魔とそれから私〜
「は?プリン?」


訝しげな視線を放つ私に,湊は呆れた様にため息を付く。


「冷蔵庫に入れてたプリン!!!」










……あ。
あの殺人プリン?








「あぁ…食べてあげたから安心して!」



そう。
私が食べたから…私は湊を救ってあげたんだ!


感謝し給え我が妹よ!!




ひとり感動の最中に居る私に呆れたように言い放つ。



「…何が安心?私の食後の楽しみをよくも奪っておきながら」


「そもそも湊も中一にもなってプリン如きでうるさいっ!!激ダサ!!」


完全に理不尽な私だったが,基本湊が大人なお陰でこれ以上の言い合いにはならなかった。


「そ。高二で盗み食いする雫ちゃんも十分ダサいわよ」



…完全に言い負かされた私であった。
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