つみかさね
第1章



「また明日ね」

「はーい、バイバイ」


幾度となく繰り返された気がする誰とでもする挨拶、さようなら。
それは、小さな頃から人と会った回数繰り返す。

小さい頃は仲いい子とでも喧嘩して、バイバイも言わずにその子の家を泣きながら飛び出したこともある。

ただし、喧嘩の原因は私にあるのだけれど……。


この「バイバイ」というのは、口にすれば別れ際の寂しくなる挨拶であると共に、口にしなければさらに寂しい挨拶だと思う。


小さい頃は、どんな人とであれ離れ難くて、バイバイも言えずにぐずっていたこともあった。


流石に大学生にもなってバイバイでぐずり続けることは無い……はずだ。


この別れの挨拶の慣れも、積み重ねなのではないかと思う。




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