つみかさね
「今度休みの日はいつ会える?」
「俺は当分サークルで忙しいからなー……最近会えてなくてごめん」
お互い同じ大学に入ったのに、別々の文化系サークルに入った。
私はのんびりしたサークルに入りたくて、お散歩サークルなるものに入った。
こうなると勿論、彼のサークルの方が忙しい。
そのせいもあって、こういう風に一緒に帰るのも入学当初に比べればかなり減った。
もちろん、それと同時に寂しさと共に1日の別れではない別れへの恐怖は日に日に増して行った。
「大丈夫だよ、体調崩さないようにね」
の一言と共に浮かべる笑顔が、自分でもわかるほど少しずつ消えて行く。
あいにく私は性格的にはサバサバしていない。
どちらかと言うと依存タイプであるのも自覚している。
もうすぐ消えていってしまうであろうこの関係への不安と彼の好きだという言葉への信頼とか汚く、入り混じって行った。