桜の冒険【その男、狂暴。】
椿、聞く
椿、聞く

「ねぇ、零。桜様のことを安倍晴明様って呼んだわよね?」

「聞いていたんですか。呼びましたけどそれがどうしたんですか?」

「あんた、騰蛇の零ね。久し振り。」

「あなたも。勾陣。」

「それにしてもあなた前世ではわたしと同じ女性だったわよね。なんで男性なの?」

「さぁ。生まれ変わったら男として安倍晴明様を守りたいと思ったからじゃないですか。」

「あんなに美人だったのに。残念。もう一緒にお風呂入れないわね。」

「その時は魔法で女性になってお風呂に入れますよ。桜様と離れたくありませんから。」

「桜様。わたしと入ってるけど。まぁ。あんたに見られても平気かな。わたしも桜様も。前世では男女関係なく、仲良く風呂に入ってたわけだし。」

「それは前世の時の話でしょう。今の桜様は分かりませんよ。」

「あんたなんで敬語?」

「これからは桜様に仕えるんだから従者がため口じゃだめだろ。っていうか前世の時の名残りです。」

「あぁ。成る程ね。」

「それより桜様をベッドに寝かせましょう。このままじゃあ。冷えるし。」

「それもそうですね。」

「あんた、瞬間移動。使える?」

「使える。」

「じゃあ。桜様の部屋に瞬間移動しよう。」
僕達は瞬間移動した。
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