【完】幼なじみのあいつ ~翔ちゃんサイドストーリー~
1章
「鈴には近づくな」
「………は?」
俺の目の前にいるのは、幼なじみであり親友の田宮亮平。
そいつからいきなり言われたその一言に、唖然としたのは俺、倉持翔だった。
「なに言ってんだよ?お前、頭でも打ったか?」
ようやく意識が戻った俺は、落ち着かせようと目の前のコーラを勢いよく飲みながら亮平の次の言葉を待つ。
「俺、鈴の事が好きなんだ」
「………ぶーーーーっ!!!」
ごめん、亮平………。
お前をコーラまみれにしちまった---
いやいやいや…、ちょっと待て?
なにお前…、鈴が好きって言ったか?
目をパチクリさせながら亮平を見ると、亮平は近くに置いていたタオルで俺がぶちまけたコーラまみれの自分の顔や床をふきふきと拭いてくれている。
そんな事はいいから、さっさと答えやがれっ!
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