【完】幼なじみのあいつ ~翔ちゃんサイドストーリー~
グダグダ言いながら、なかなか俺の背中に乗らない鈴。
渋る鈴をなんとか俺の背中に乗せ、人っ子一人いない廊下を俺の足音を響かせながら歩いた。
「………」
オイ、鈴---
俺の背中にお前の胸が当たってんぞ?
昔、鈴をおんぶした感覚でいたのだがその時は勿論胸などなかった。
それが今、俺の背中に鈴の胸が当たっている---
あぁ、コイツは女なんだな…と今更ながらに思った。
普段はそんな事、考えた事もなかったから急に心臓がドキドキしてきた。
静まれ!俺の心臓---
「膝怪我しましたー。後、たんこぶもですー」
保健室に入って早々、俺のこのよく分からない感情を誰にも悟られないよう笑顔を振り撒きながら保健室に入った。
室内にはセンセーが、机に向かって何やら書いている。
取りあえず、鈴を保健室のベットに置いた。
すると感謝されてもいいはずの俺を、何故か鈴が睨みつけてきた。
え?何だよ?
よくわかんねぇけど、気にしない事にする。