【完】幼なじみのあいつ ~翔ちゃんサイドストーリー~
「な、なんだよ?つーかお前、覗き見すんなよな」
「うわっ、逆切れ?なによっ!私なんてあの後、大泣きして熱まででたんだからねっ!」
「何?そーんなにすーずちゃんは、ショックだったの?」
「別にショックじゃないしっ!」
鈴は相当辛かったんだと分かって、俺は素直に謝った。
それよりあれっ?と気づいた事があった。
今って、みんなで花火をしている時間だったよな?
俺たち結構ここにいるから、もうそろそろ行かないとヤバイんじゃないか?
「…じゃ、そろそろみんなの所に行くか?」
鈴に手を差し伸べた。
俺達もう、恋人同士なんだから手を繫ぐくらいいいよな?
「……ほらっ」
戸惑う鈴の手を強引に取り、手を繫いだ俺は前を向いて歩きだした。
鈴も俺に引かれながら歩き出す。
横から、鈴の視線を感じる。
少しこそばゆいが気にしていない振りをして、俺はそのまま前を見ていた。