【完】幼なじみのあいつ ~翔ちゃんサイドストーリー~
「鈴せんぱーいっ!」
鈴の後輩の花ちゃんの声に驚き、鈴と繋いでいた手を離してしまった。
まぁ、いいか。
ここからは鈴の事は花ちゃんに任せて、俺はさっさと行きますか。
「俺、向こう行くわ」
鈴の顔を見ず、俺はさっさとその場を離れた。
花ちゃんの横を通り過ぎる時、ジロジロと見られたのは何でだろうか?
皆の所に戻ると早速、ノブが俺の傍にやってきて引っ付いてくる。
「先輩ッ。ずっと探してたんッスよ?」
「はっ?それはゴメン」
素直に謝るとノブは突然、俺の事をニヤニヤ見てきた。
「そういえば鈴先輩も見かけないんですよっ。どこに行ったんでしょーね?」
その言葉にドキッとした。
いやまぁー、一緒にいた事はバレてもいいよな?
でもいちいち、言わなくてもいいはずだ。
だから俺は言わない。
「そうか?」
何も言わない俺に、ノブは全く納得していない顔をしていたけどなっ。