【完】幼なじみのあいつ ~翔ちゃんサイドストーリー~
あれ?
もしかして、鈴が言ったのか?
「別に鈴からは聞いてない」
「はぁっ?」
なんだコイツ?
俺の心を読みやがった。
末恐ろしい---
「なに亮平。俺と鈴がいずれ付き合う事、分かってたのか?」
茶を飲んでいた亮平の手が止まり、俺の事を射抜くように見てきた。
その顔、スゲェ怖えーんだけと---
「まぁ。翔が鈴の事を好きだと分かった時からな」
「…ふーん」
「前に言ったよな?鈴の事、好きになるなって」
その言葉にキョトンとした。
あれ?
そんな事、亮平言ったか?
全く覚えていない---
「…もういい」
そう言った亮平は、また茶を口に含んだ。
俺が言いたかったのは、それだけではない。
緊張感が俺の身体を走り抜ける。
覚悟を決め、亮平を睨みつけるように見ながら口を開いた。