【完】幼なじみのあいつ ~翔ちゃんサイドストーリー~
「んんっ?」
来る筈の痛みが来ない代わりの抱擁に、俺の目が見開く。
目の前には俺を抱きしめている亮平がいて、驚いた。
「亮平?」
「…幸せになれよ?翔」
「ッ…、ありがとう亮平」
俺も亮平を抱きしめ返す。
男同士で抱き合うのもなんだかおかしいが、でも…。
抱き合っている事で亮平の気持ちが、そのままダイレクトに流れ込んできているように感じた。
しばらくして、お互いなにも言わずゆっくり離れ、そして笑い合う。
「亮平、これから遊びにいかねぇ?」
「お、いいな。行くか?」
それから鈴も誘って、久しぶりに3人で昼飯を食いに行った。
重くなった腹を抱えながら、次はバッティングセンターに向かう。
俺は着いた早々、二人を置いて120kmコースへと移動した。
バットを振り回し、結構な数のボールを当てて気分よくコースから出たら…、
お前らなにをやっている?