【完】幼なじみのあいつ ~翔ちゃんサイドストーリー~
あれから大分、時間も経った。
そろそろいいか?と先ほどの場所に戻ると、まだ二人は抱き合っている。
いい加減、長くねぇ?
そうは思ったけど取りあえず、近くにあった椅子に座り二人を眺めていた。
もうそろそろいいと思うんだけど?
イライラが高まっていく。
チッ、もういいだろ?
と、立ち上がろうとした時、丁度 亮平と鈴が離れた。
「さよなら」
ここからでも聞える、亮平の鈴への最後の言葉。
それはきっと、これから幼なじみに戻る為に必要な言葉なのだろう。
「…話は終わったのか?」
「い、いたの?翔ちゃんっ」
「いたのじゃねーよ。いつまで待たせんだよっ」
イライラしているところで鈴にヘラッと笑われ、余計イラついて睨みつけてしまった。
「はい、ごめんなさい…」
はい、どういたしまして。
さてと…と、次に亮平に視線を向ける。