【完】幼なじみのあいつ ~翔ちゃんサイドストーリー~
そのままジッと鈴を見ていたら、目が合う。
次の瞬間、鈴の顔が真っ赤に染まった。
「な、何よ?翔ちゃん!翔ちゃんが私の旦那様なんて、こっちからお断りなんだからね!」
ま、そりゃそーだわな?
そんなもん、分かってるっつーの。
なにもそんなに怒りながら、言う事じゃねぇーだろが。
ま、俺には早紀ちゃんがいるしなっ。
つー事で早紀ちゃんをべた褒めしまくったら、鈴に殴られた。
その後、またバスケ部に戻るって言うから鈴をおんぶしてやった。
殴ってきた鈴をおんぶするなんて、俺って優しいよな…。
なんて自画自賛しながら、鈴をおんぶし保健室から出る。
「せんせー、しつれーしまーす」
「ありがとうございました」
ドアから出る寸前、センセーが俺達の事をお似合いだと言ったのはまぁ聞かなかった事にしておこう。
結構、重い鈴を頑張っておんぶしていたら、俺の背中越しからお礼を言われた。
鈴の胸が俺の背中にあたってるなぁと思っていたところで、いきなり話しかけられたのだ。
いきなり声をかけられたもんだから、驚きすぎて「おうっ!」なんて声が裏返ってしまう。