【完】幼なじみのあいつ ~翔ちゃんサイドストーリー~
「イヤ、今話さなくちゃダメなんだよ!…どけっ、亮平」
俺に向かってきた亮平を押しのけようとするがこいつの力は相当なもので、中々部屋に入ることが出来ない。
かなりの攻防戦となり、お互いがそれを譲らず…。
なんでコイツはこんなに焦ったように、俺を鈴に会わせようとしないんだ?
話すくらいいいじゃないか---
焦る俺の気持ちを他所に、亮平はほんっとに意地でも俺を通さない気だ。
「いい加減にしろっ!」
俺は亮平の襟首を持ち、殴ってやろうと腕を振り上げる。
「何してるの!止めなさい!!」
後ろから聞えてきた声にビクリと反応し振り返ると、そこには保健のセンセーが怖い顔をして腕を組み立っていた。
「ここには病人がいるのよ?…分かるわね?」
その言葉に亮平の襟首から手を離しセンセーの出ていけという言葉に従って、亮平と部屋から出た。
部屋を出る間際、鈴の顔を見ると赤い顔をしていた。
さっきセンセーは、病人がいると言っていた。
きっと鈴の事なんだろうな…、と納得する。
鈴は熱を出したのか。
そういえば昨夜の夕飯時、具合悪そうだったもんな---