【完】幼なじみのあいつ ~翔ちゃんサイドストーリー~


「…亮平、鈴と付き合ってるってどう言う事だ?」


生徒達で賑わう廊下を歩きながら、疑問に思っていた事を口にした。




「その言葉通りだが」


「…いつから?」


「…さっき」



やっぱりコイツは俺が早紀ちゃんと別れた事に、焦りを感じていたのだろうか?


目を見開きながら驚く俺をチラリと見て、亮平はまた前を見る。




「お前…。俺が今、誰を好きか知ってるんだろ?」


「………」



俺の言葉に、亮平の眉がピクリと動く。


やっぱコイツは知っていると分かり、亮平を睨み付けた。





「やっぱり知ってるんだな?どうして焦ってる?」


「焦る?…馬鹿を言うな、なにを焦る必要がある。くだらん」



部屋の前に辿り着いた亮平は鍵で扉を開け、さっさと部屋へ入ってしまった。





「………」


閉まった扉をジッと見ながら眉を潜める。




「テメーっ!閉めんじゃねぇっ!開けやがれっ!!!」


閉まったドアをガンッと蹴り、わざと閉めやがった亮平に更に嫌悪感を抱く。



今日一日の行動は全て班行動だったのだが、俺と亮平の険悪な状況によりとても楽しい一日とは言えなかった。



< 38 / 120 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop