【完】幼なじみのあいつ ~翔ちゃんサイドストーリー~
今日は月曜日。
朝から俺は一人、頭を抱えていた。
やべーやべー、うっかり英語の宿題やるのを忘れてたぜ。
どうすっかなぁ?
と思っていたところで、美香が俺にノートを貸してくれた。
コイツは俺の事が好きらしく困った事があると、すぐに手を差し伸べてくれるありがたいヤツだ。
美香のノートを片手に自分の席に着き、宿題を写し始める。
面倒な事このうえないが、こればっかりはしょうがねぇ。
宿題を忘れると英語のセンセーは、宿題の3倍は課題を出してきやがるからやるしかない。
黙々と宿題を写していると、聞えてきた鈴と亮平の会話に耳がダンボになる。
ついでにチラッと二人を見ると、亮平が鈴の頬をつついてやがった…。
んでもって、頭を撫でている。
瞬間、俺は瞬間湯沸し器みてぇに身体が熱くなった。
何をしてやがるっ?!
つーか、鈴っ!
お前は何故、そんなに顔を赤くしてるんだっ?!
俺は宿題を写していた手を止め、二人のやり取りを睨みつけるようにジッと見ていた。
何なんだあいつら!…って思ってたら、センセーが来やがった。
いけねぇー…、宿題宿題---
教壇前に立つセンセーの話しなんて一切聞かず宿題に集中していたら、ふと視界にカックンカックン動くものが目に飛び込んできた。
何だ?
横を見ると、鈴が寝ていた---
ほぅ、俺様が起こしてやろうじゃないか。
ノートを丸め鈴の頭を叩く。
一瞬で目を覚ました鈴があまりにも可笑しくて笑ってしまった。
鈴…、
なんかお前、犬みてー。