【完】幼なじみのあいつ ~翔ちゃんサイドストーリー~
二人をジッと見ていると、隣に座る美香が俺の服を軽く引っ張った。
俺としては鈴達から視線を外したくはなかったが、しょうがない。
美香を見ると、イライラするくらい上目遣いで俺を見てきた。
「ねぇー、今日の帰りどっか寄って行こうよー」
なんでお前と出かけなくちゃ行けねぇーんだっ?!
イライラが倍増する。
「疲れてるから行かない」
「んーっ、…翔君、昨日から態度が冷たいけど何かあったの?」
その言葉に驚くが美香に教えたくもないから、顔を背けた。
必然と鈴の方に視線がいったのだがその時、鈴とバチリと目が合ってしまう。
鈴、何故亮平と付き合ってる?
俺ではダメか?
俺の気持ちをすぐにでも鈴にぶつけたいが、そんな事が出来ない状況に苛立ちが募る。
鈴を見つめることでこの気持ちを分かってくれないか思ったが、超能力者じゃねぇからムリだな…と諦めた。
「ねぇ翔君?私、小耳に挟んだんだんどさ、翔君と彼女別れたんだって?」
美香の言葉に驚いた。
真剣な顔の美香と目が合う。