【完】幼なじみのあいつ ~翔ちゃんサイドストーリー~


あれから早紀ちゃんは、休み時間になるとよく俺のクラスに顔を出すようになった。



出来れば鈴には見られたくない。


困った状況だなと思った俺は、ドア越しに早紀ちゃんを見かければすぐ廊下に出るようにした。




「今日も一緒に帰ってもいいかな?」


「あぁ…」



廊下で俺の腕を絡ませてくる早紀ちゃんが、今の俺の悩みの種だ。



一緒にいるとベタベタくっ付いてくるからなんとか引き剥がそうするのだが、なかなか離れてはくれない。



早紀ちゃんといる時の俺って、眉間にシワを寄せっぱなしなんじゃないかと思ってしまう。




いつになったら早紀ちゃんは別れてくれるのか?


そればっかり考える俺って最低だよな。




いつまで続くのか分からない無意味な付き合いに、どうしたもんかと俺の頭を悩ませる。


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