【完】幼なじみのあいつ ～翔ちゃんサイドストーリー～

階段を登ろうとした所で、誰かが倒れているのが視界に入ってきた。




「…す、鈴っ－－－？」


倒れている人物が鈴である事を確認した俺は、急いで鈴のもとへと走って行く。


うつ伏せだった鈴を仰向けにし、顔を覗きこむ。




青白いその顔はピクリともしなくて、俺の心臓は止まりそうなくらいどきどきした。




「鈴、シッカリしろっ！」


声が聞こえたのか、微かに身じろぎしてホッとする。




い、生きてる－－－


マジで死んでるかと焦った。



ホッと胸を撫で下ろし、鈴を姫抱っこして保健室へと急いだ。



廊下は相変わらず誰もいなくて、俺の足音だけがカツカツと響いていた。




ガラッ－－－


保健室の扉を開け中を確認するが、センセーはいなかった。



消毒液臭い保健室に勝手に入った俺は、ベットまで行くと鈴をそっと横たわらせる。




「…んっ」



べットに横にすると、気持ちよさそうに規則正しい寝息が鈴から聞えてきてた。


俺は脱力して、へなへなとその場に座りこんだ。