【完】幼なじみのあいつ ~翔ちゃんサイドストーリー~
何回か窓を叩いていたら、鈴がそれに気づいてくれて窓を開けてくれた。
「どうしたの、翔ちゃん?」
「身体、大丈夫か?」
俺の問いに少し顔を歪めながら全身打撲で、一週間は安静にしなければいけないと言った。
階段から落ちて一週間のケガですんだのなら良かったいうのに、鈴はどこか浮かない顔をしている。
まぁそれはきっと、試合に出れないからなんだろうなとすぐに分かった。
「試合…、出れなくて残念だったな」
その言葉に力なく微笑む鈴に、なにもしてやれない事が悔しくなった。
その後、バスケの話しから少しでも遠ざけたかった俺は、鈴が倒れているのを発見したのは俺だと自慢げに言った。
すると授業が始まっている時間なのに、なんで見つける事が出来たんだと不思議そうに聞かれる。
まぁ、普通はそう思うよな?
亮平だって、なんで授業中なのにお前が鈴を見つる事が出来たんだ?って聞いてきたくらいだし。
胸騒ぎがしたからなんて…、どう考えても変だよな?
俺は苦笑した---