【完】幼なじみのあいつ ~翔ちゃんサイドストーリー~


窓から身を乗り出し、屋根づたいで鈴の部屋へと入る。


子供部屋だった昔と比べて今はもう、女の部屋って感じに変わった鈴の部屋に幾分気持ちが高揚してしまっている自分に気付いた。



でもその高まった気持ちもすぐに治まる。


部屋の中に小さい頃見たぬいぐるみが今だ、棚の中で鎮座していたからだ。




懐かしい---


思わず笑ってしまった。



あ、あれは…。


勉強机の上にある写真が目に入った。


そこには俺と亮平と鈴の三人で子供の頃に撮った写真が、可愛いフォトフレームに入っているのが見えた。


懐かしさに、目を細める。




あの頃の俺達が今は遠く感じ、寂しくなった---




「…しょ……ちゃん?」



鈴の声にはっとし、鈴の前へと移動する。


鈴を抱き上げベットへと運んだ。



抱き上げると鈴はどこか気持ちよさそうにニヘラッと笑って、それがまた鈴への思いに火をつける。




「…寝るならベットにしておけ」


「…ん、あり…がと……、しょ………」




鈴に布団を掛けた頃にはもう、意識も遠のいていた。



「…鈴」

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