【完】幼なじみのあいつ ~翔ちゃんサイドストーリー~
次の日の朝、昨日の試合の気持ちが今だに引きずっている俺は全くやる気がおきなくて、授業中ずっとボンヤリとしていた。
いや、引きずっていなくても、授業中はいつもボーっとしているが---
頭の中ではずっと、最後に放ったシュートがこびり付いている。
それを思い出すたび、ため息が出た。
「ハァー……、…ッテェ!」
幾度目かのため息をはいていたら、誰かが俺の頭を叩かれた。
後ろを振り返るとそこには、香織ちゃんがいた。
鈴が俺の頭をぶつならまだしも、香織ちゃんが俺の頭を叩いてきた事に驚きだ。
「なにのん気に、ため息なんていつてんのよっ。一大事よ!」
突然俺に向かって怒り出す香織ちゃんに、わけが分からなくて首を傾けた。
「ヘッ?」
「ほらっ!」
ズイッと俺に手紙を渡してくる。
その手紙を開いて見て見ると---
「はぁッ?」
それは、鈴宛の手紙だった。
差出人は…、
俺の彼女の早紀ちゃん?!
内容を見れば丁度この時間、裏庭で待っているって書いてある。