【完】幼なじみのあいつ ~翔ちゃんサイドストーリー~


「何だこれ…?」


俺が手紙を意味もなく何度も読み返していたら、不意に手紙を取り上げられた。


取り上げた先には亮平がいて、真剣な顔をしながらその手紙を読んでいた。




「翔、マズイかも」


「えっ、なにが?」



手紙を見ていた亮平の視線が俺にうつる。




「…鈴を階段から突き落としたヤツって、実は早紀ちゃんだったんだよ」



えっ?


早紀ちゃんが鈴を、階段から突き落とした?





あれ?


早紀ちゃん、俺と付き合ったら鈴にはなにもしないって言ったよな?



俺の指先が急激に冷えていくのを感じながら亮平から手紙を取り上げ、もう一度手紙を読み返した。




鈴が危ない?


イヤ、まさか早紀ちゃんがなにもするわけないよな?



とは言えやはり鈴が心配だ。




椅子から勢いよく立ち上がり、全速力で裏庭に向かうため突っ走る。


廊下を駆け抜け下駄箱で靴に履き替えもせず、上履きのまま---




早紀ちゃん…、


鈴にはなにもするなよ!


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