【完】幼なじみのあいつ ~翔ちゃんサイドストーリー~
裏庭に辿り着くと目の前には、早紀ちゃんが鈴の髪の毛を引っ張っているのが見えた。
なにしてんだ?
取り合えず早紀ちゃんと鈴を離さなくては…と、鈴たちの傍に近づいたら今度は早紀ちゃんの右手が上がる。
「ちょっ、早紀ちゃん?」
鈴を今にも殴りそうな早紀ちゃんに驚きながら、ダッシュで二人のもとに走って行く。
そして間一髪のところで、早紀ちゃんの両腕を掴み止めさせる事が出来た。
「…早紀ちゃん、何やってるんだ?」
俺の顔を見て驚いた早紀ちゃんは、今度は顔を青ざめさせ下を向く。
「早紀ちゃん?…鈴に手を出さない約束で、俺達はまた付き合う事を決めたんだよな?」
「………」
「約束…、破ったよね。何で?」
俺に一瞬顔を向けた早紀ちゃんは俺の顔を見るなり、また下を向いてしまった。
付き合ってるのに鈴に手を出すようなら、もう付き合ってる意味なんてないな---