【完】幼なじみのあいつ ~翔ちゃんサイドストーリー~
ふと気付くと亮平が鈴の髪の毛を、労わる様に撫でているのが視界に入ってきた。
二人の会話に耳を傾けていると、急に鈴から話を投げかけられる。
「…翔ちゃんは早紀ちゃんが私に、何かをするって知ってたの?」
「知ってたっていうか別れ話しをした後、別れるなら鈴に何するか分からないって言われた」
ま、結局は意味のない約束だったけどな---
「早紀ちゃんとは何で別れたの?あんなに翔ちゃん、早紀ちゃんの事が、好きだったじゃない?」
ここで鈴が好きだから別れたなんて言ったところで、鈴にはもう亮平がいるんだ。
なにも言わずに離れた方がいいよな?
チラッと亮平を見ると、俺をジッと見ていた。
きっと何も言うな…と、言いたいのだろう。
分かってるよ---
「…鈴、迷惑かけてごめんな」
そう言って鈴達から背を向け、その場から去った。