【完】幼なじみのあいつ ~翔ちゃんサイドストーリー~
「な、なんだよ?」
「ふふっ、ほんっと翔ちゃんってヘタレですねっ!」
ヘッ、ヘタレ?
なんだよそれ…。
俺、ヘタレじゃねーしっ。
えっ?
告白出来ないと、ヘタレなのか?
「………」
「男らしく告白して下さいねっ。こんな良い女を振ったんだから」
瞳を少し潤ませた早紀ちゃんが、微笑みながら俺をジッと見つめた。
そんな早紀ちゃんに、俺は思わず頷いてしまう。
し、しまったっ!
「絶対ですよ?」
やっちまったーって顔をしていたら、不意に早紀ちゃんが手を差し出してきた。
なんで手を出すのか分からず早紀ちゃんを見つめると、握手しましょと言ってきたから俺も右手を差し出す。
「翔ちゃん、今までありがとっ。大好きでした」
「俺も、早紀ちゃんがスゲー好きだった」
握手をしながら早紀ちゃんの手の温もりに、早紀ちゃんとの過去を思い出して懐かしんだ。