【完】幼なじみのあいつ ~翔ちゃんサイドストーリー~


ゆっくりとお互いの手が離れ、また見つめ合う。




「翔ちゃん。私、彼氏が出来たんです」



えっ、彼氏…?


ってかもう?





「おめでとう」



ビックリしたけど、早紀ちゃんが本当に幸せそうに微笑んだから俺も嬉しくなった。


きっと早紀ちゃん、今凄く幸せなんだろうな。





「私…、今すごく幸せなの。だから翔ちゃんも幸せになってねっ。さよなら」



さよならと言った早紀ちゃんはどこか寂しそうな顔をしていたがすぐに、笑顔を取り戻し去って行った。



スッキリした顔の早紀ちゃんに、良かったと思う半面、寂しく感じたのは今がどうであれ、早紀ちゃんの事を本気で好きだったからだ---




「早紀ちゃん、本当に今までありがとう」



夏の暑さを受け止めながら、俺はしばらくそこに佇んでいた。


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