【完】幼なじみのあいつ ~翔ちゃんサイドストーリー~
3章
今日からバスケ部の夏合宿だ。
合宿所に着いた早々、ビシビシ扱かれてかなり疲れた。
休憩に入りあまりの暑さにどこかの木陰で休もうかと思っていると、ボーっとしている鈴が目に付いた。
なーに、ボーっとしてんだ?
俺は優しいから、鈴の頭にボールをぶつけてやった。
ゴンッ!
うん、いい音がするな。
アイツの頭には、何も詰まってないとみた。
「オラ、ボケッとすんな」
疲れた身体を休めるため、鈴の隣に腰掛けた。
「ちょっとっ!痛いわよっ。…何、そっちも休憩中?」
「まーなっ」
座ってから、持っていたボールを指の上で回す俺…。
おっ、中々上手く回ってんじゃん?
ボールを回しているうちに、亮平の事を思い出した。
そういやこいつ、亮平のあの事知ってんのかな?
「…なぁ、知ってるか?」
「何よ?」
こっちが真面目な話をしようとしていたら、鈴が俺の回しているボールを指で突付きボールを落とそうとする。