【完】幼なじみのあいつ ~翔ちゃんサイドストーリー~
「お前、なにすんだよっ!」
つーか話しそれちまったしっ---
「それより亮平の事だけどさ。高校、俺達と違うとこ選んだみたいだぜ。知ってた?」
俺の言葉に、みるみる表情が変わっていく鈴。
ふーん、知らなかったんだ?
付き合ってんのに?
気を取り直し、今度は座りながらドリブルを始める。
そのボールをジッと食い入るように見ていた鈴が、突然ニヤリと笑った。
「うわっ、なにニヤツいてんだよ?キモッ」
なんか知らねぇが、思い出し笑いをしているらしい鈴の頭にボールを投げた。
「あだっ!!!何度もボールぶつけないでよねっ。もー、…それより亮ちゃん、本気で別の高校に行く気なのかな?」
「知らねーし。ってかお前、反射神経鈍いんじゃね?軽めに投げたボール取れないなんてさ」
なんて言ったら鈴の顔がどんどん赤くなってきた。
おーっ!
怒ってる、怒ってる。