【完】幼なじみのあいつ ~翔ちゃんサイドストーリー~


「ただ勝負するだけじゃつまんねーから、賭けでもしよっか?勝った方が負けた方に一回、命令出来るっつーのはどうだ?」



最初は首を捻っていた鈴もまんざらではないのか、急にニヤニヤし出し目を細めている。



きっと俺に勝って、俺様をパシリにでもしてやろうと目論んでんだろう…。


自分の考えを読まれるなんて、まだまだ鈴も甘いな。




「なに?その顔はもう勝つ気でいるだろ?」


「…そんな事はないよ?」



視線を上に向けてすっとぼてた顔をしているんだから、間違いない。




「翔ちゃん…、やっぱり止め『お前にハンデをつけてやる』…えっ?そう?で、ハンデは何?」


「そうだな…。じゃぁ、鈴が点数3点。俺が10点取れれば勝ちっつーのでどうだ?」




どうだ?


俺様は優しいだろ?



ニヤリと笑う俺に、冷たい視線を向ける鈴。




「そんなに点差なくても良いしっ!………2点差位いにしておいてあげるわよ」


「本当に2点差で良いの?じゃぁ、3-5勝負な…。ま、俺は全然いいけどさ。さーてと鈴ちゃんにはどんな命令しちゃおっかな?」



すぐに勝負がつくよう、俺は5点にしておいた。



俺の言葉にキャンキャン吼える鈴が可愛くて、思わず抱きしめたくなる。


それを抑えながら、さてとどんな命令にしようかと考えた。




俺が勝つのは当たり前だしな---


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