【完】幼なじみのあいつ ~翔ちゃんサイドストーリー~
体育館に入った俺は、軽くシュート練習。
すると後輩のノブが俺の所にやってきて挨拶した後、ジーッと俺を見てくる。
「やるか?」
「お願いしますっ!」
ペコリと頭を下げたノブは、嬉しそうな顔をしながら俺がドリブルしているボールを狙う。
コイツはなんでも、俺の事を尊敬しているだとかでベッタリと張り付いてくる。
まぁ、俺を慕ってくれているみたいだから気分は悪くはない。
だからこいつの事は結構、可愛がってやってる。
ノブの動きを見ながらドリブルし、さてどうしたもんか?と考える---
取り合えずノブに向かい、そのままノブの股下にボールを潜らせシュートした。
「…ノブ、お前簡単に俺を通しすぎ。もっと粘れよっ」
そう言うとプクッと頬を膨らませる後輩に、お前は乙女かっ!と言いたくなった。
そんな顔をされても可愛くない。
「翔先輩の動き、速すぎっス」
そんな事を言われると、嬉しくないわけがない。
次はお前の番だと言わんばかりに、ニヤリと笑いながらボールをノブに投げた。