【完】幼なじみのあいつ ~翔ちゃんサイドストーリー~
「すーずちゃん?ボーッと突っ立ってたら、ゲームにならないよ~」
「……ハンデ、もう少し変えない?」
眉を下げ、弱気になる鈴。
その気持ちも分かるが、どんな点数差だろうと俺が勝つんだから変える必要はないだろう。
鈴がボールを持った。
視線を忙しなく動かしながら、一生懸命考えているのが分かる。
しかし俺を舐めてもらっちゃ困るよ、すーずちゃんっ。
作戦が決まったのか、一気に俺に突っ込んでくる。
色々とフェイクを決めようと頑張っているようだが、俺にはよーく見えるのだ。
ジッと鈴の持っているボールに集中し、隙をついてボールをカット。
一気にドリブルして、シュートを放った。
…と思ったら、後ろから鈴にボールをカットされる。
おもしれえっ!
やるじゃん、鈴---
しかーし、甘い甘い。
すぐに俺は鈴から、ボールを取ってシュートだぜ。
「2点目ーーーっ!。さ、残り、後3点だなぁ~」
ボールを鈴に渡し、鈴の攻撃を待つ。
しかし、鈴は一向に動く気配がしない
どうしたんだ?と鈴を見た。
「…翔ちゃん。お願いがあるんだけど」
「なに?2点差勝負以外受付けねーよ?」
「そうじゃなくて…、賭けはなしにしない?」