【完】幼なじみのあいつ ~翔ちゃんサイドストーリー~
俺はまだ賭けの命令を決めてはいないが、これは俺にとってチャンスのような気がする。
だから鈴のその願いは、受け付けてはやらねぇ。
汗をバンドで拭い、腕を組んだ。
そして上から目線で言ってやった。
「…それはダーメ。一度決めたんだから覚悟しな」
心配そうに俺を見る鈴の額を小突くと、プクッと頬を膨らませる。
そんな可愛い鈴に、笑ってしまった。
それからはまぁ…、
俺の完全勝利ってヤツだな---
「はい、5点目ーーーっ!」
恨めしげに俺を見つめる鈴を見ながら、さて命令なににすッかなーと考える。
「そうだな『おーいお前ら、何やってる?休憩終わりだぞー』………」
声の方に視線を向けると、男バスのキャプテンが体育館から顔を出し俺達を見ていた。
命令は、後でゆっくりと考えますかね?
「命令はまた後でな。……夕飯食べ終わったらここで待ってろ」