【完】幼なじみのあいつ ~翔ちゃんサイドストーリー~
鈴に視線を合わせずそう言った俺は、そのまま体育館に向かった。
体育館に辿り着くと何故かノブが、ニヤニヤしながら俺に向かってくる。
眉間にシワを寄せている俺を見たノブが、ますます気持ち悪りぃ笑みをしやがるからぺチンとデコを叩いてやった。
「イテッ…。もー…、痛いッスよ翔先輩」
「うっせー。で、なんだよ?」
「今まで、鈴先輩と一緒にいましたよね?翔先輩」
「それがどうした?」
「べっつにー…」
意味深に笑いながら、ノブは俺から離れていった。
チッ…、
なんなんだよ---
* * * * *
「で、せーんぱい。鈴先輩とお付き合いでもしてるんっスか?いっつも仲いいですよね?」
隣でモグモグと夕飯のカレーを頬張りながら、俺にそんな事を聞いてくるノブを睨みつける。
「食べながらしゃべんなっ。…つーか、鈴とは幼なじみ以外なんでもない」
「またまたまた~。翔先輩、鈴先輩といる時すっげー顔がニヤケてますよ?」
うぜーっ…、ノブのヤロー。
ここの所、鈴々うっせーんだけど---
「なに?お前、鈴の事好きなの?」