【完】幼なじみのあいつ ~翔ちゃんサイドストーリー~
その言葉に目を見開くノブ。
次第に瞳をウルウルと潤ませ始めたノブに、またイラッとした。
「僕の好きな人は、翔先輩ですよーーーーっ!」
「うぜーっ…」
ベシンッ、と頭を叩いたら何故か喜ばれる。
「冗談ですってー」
ヘヘッて笑うノブに疑いの目を向けたが、ノブはそんな事など気にせずにまたカレーをガツガツ食べ始めた。
カレーに視線を戻そうとして、ふと視線を感じた。
なんだ?
とその方向を見ると、鈴と目が合う。
ビックリだ。
もしかしてノブとの会話、聞えてたのか?
そう思ったら鈴と目が合わせずらくなり、目を逸らしてしまった。
逸らした先にはノブがこっちを見ていて、思わず睨みつけた。
「…やっぱり怪しい」
「怪しくねぇっ!」
さて、それより鈴に何の命令するかな?
---本当はなんとなく決めてはいるんだ。
でもそんな事を言って良いのか?と、迷っている自分がいる。
そういや早紀ちゃんに、ヘタレだって言われたっけ?
俺がヘタレ何て事はないと思ってたが…、まぁ言われりゃそうかもなと納得した。
こんな事でウダウダ悩んでんだもんな。
なさけねぇ---