【完】幼なじみのあいつ ~翔ちゃんサイドストーリー~


「来いッ、ノブ」



俺の言葉にノブはドリブルしながら、俺の横を通り過ぎた。


しかしそれをすぐにカットした俺は、そのまま数度ドリブルしてシュート。




「ズリーッスよ、先輩っ」


「ズルくねーし…。お前、もう少しスピード出せるようにしねーとな」



俺の言葉にヘヘッと笑いながらがんばります、とそう素直に言った後輩が可愛くて俺はニッと笑った。




「おっ、そろそろ練習始めるみたいだな。行こーぜ」


周りの男共がワラワラと集まり出して来たから、俺は持っていたボールをコートに投げ捨て集まっている中に入っていった。




「ちょっと、倉持!こっちに来て」



バスケの練習をして、どれくらい時間が経っただろうか?


突然、俺を呼ぶ女子バスキャプテンの声に身体を止め、声のした方に振り返る。




おいっ!


そう突っ込みたくなる状況に、目を丸くした。



しかたなく男バスキャプテンに抜ける旨を伝え、女子バスのキャプテンの方に向かって歩く。





「鈴、なにやってんの?」


俺が声をかけると、鈴が膝を抱え涙目になりながら俺を見てくる。


何故かこの時、不覚にも鈴のその瞳にドキッとしてしまった。




鈴のくせに生意気な---


< 9 / 120 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop