color【完結】




「妙に大人っぽく見えるときもあるし、普段は子供っぽいのにたまに色気がある。可愛いのに美人系なんだよ」




あの人は最高だ!!とリーダーが声高々に言った。



え、ちょっと待って想像のちっちゃい細マッチョの鬼塚さんがいきなり女の子になったんだけど。待って待って、不良から遠ざかってるから!





僕の心の中は全く穏やかではなく、彼らの話に夢中になっていた。

ううん、鬼塚さん、気になる…。











「おい、なに見てんだよ」

「へ?」




あまりにも集団を凝視しすぎていたらしい。


「こっち見てんじゃねぇよ」と集団がじりじりと近づいてきていた。


あれ?無視作戦はどこいった?






「てめぇホントむかつくな。へ、じゃねぇんだよ。きめぇから消えろ!」




がつん、と机を蹴られる。それと同時に鞄が落下し、横からは今座っている椅子もけられる。僕も鞄と同じく落下。


痛い。





すでにボロボロで底に穴が開いてないのが救いだった鞄が踏みつけられる。ギリギリと踏まれていて、ああ、また始まった、と思った。







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