color【完結】



17のときにあたしとマヤは2人で親元を離れたんだけど、それまでずっと小さな子供と関わる環境にいたの。


色々と複雑な事情を抱える子供たちばっかりでね。ものすごいやんちゃだし、人の話は聞かないし、すぐ手が出る子も少なくなかった。

だけどみんな、傷ついていたの。それに抗う術を知らないだけだったの。





それで、思ったのよ。



子供は何も悪くないのに。



親のせいで、あんなにボロボロになる。


知らなくていいことまで知らなきゃならないし、傷つかなくていいのに傷ついてしまう。




みんな、ものすごく強がりなの。泣かないし、弱音も吐かないし、全てを諦める子もいる…。






あたしたちに出来ることはほんとに少なくて、あたしはいつも「なんでこんな目にあわなきゃいけないんだろう」って思ってた。



それで、今の考えに至ったのよ。




子供を育てられない親を作るべきじゃないって。

自分が何をしてるか気付かない人が親になる限り、子供も同じようになってしまう。


子供に罪はないけど、人を傷つけるまま大きくなってしまったら罪を犯してしまう。



そんな、負の連鎖を止めたいのよ。



それを、マヤに話して、ちょっとだけ協力してもらったの。




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