color【完結】





彼女の名前は、アマネさんというらしい。


セーラー服は女子高生の戦闘服なの、という理由でいつもセーラー服を着ているのだそうだ。






「立ち入り禁止なの、知らないの?」


「知ってました。けど、鍵が開いてたので…」


「……。」


「アマネさんこそ、屋上に何をしに?」


「…何となくよ。」




それは、災難だっただろうな。


なんとなく来てみた屋上で、たまたま僕が飛び降りようとしてたんだから。

















授業のすべてが終わった、修了のチャイムが鳴る。


クラスの人たちは、僕が死んだと思っているだろうか。





「じゃあ、帰ります。さようなら、アマネさん。」


「ん。じゃあね。」





ひらひらと手を振ってくれるアマネさんに頭を下げて、屋上を出た。






< 5 / 42 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop