color【完結】
彼女の名前は、アマネさんというらしい。
セーラー服は女子高生の戦闘服なの、という理由でいつもセーラー服を着ているのだそうだ。
「立ち入り禁止なの、知らないの?」
「知ってました。けど、鍵が開いてたので…」
「……。」
「アマネさんこそ、屋上に何をしに?」
「…何となくよ。」
それは、災難だっただろうな。
なんとなく来てみた屋上で、たまたま僕が飛び降りようとしてたんだから。
授業のすべてが終わった、修了のチャイムが鳴る。
クラスの人たちは、僕が死んだと思っているだろうか。
「じゃあ、帰ります。さようなら、アマネさん。」
「ん。じゃあね。」
ひらひらと手を振ってくれるアマネさんに頭を下げて、屋上を出た。