【完】幼なじみのあいつ ~亮平の恋愛編~
卒業式
今日は俺の通っていた、大学の卒業式だ。
あれから5年の月日が経ったのだが冴子は本当に、俺を迎えに来るのだろうか?
まぁ、来るんだろうな。
確実に---
実は昨年、あるレストランチェーン店から俺宛に会社の合格通知が来たのだ。
しかし俺は、この会社を受けた覚えは全くない。
この会社での俺の仕事内容は、社長秘書。
社長の名前は、白石冴子だった---
俺は花道を歩き、校門近くまでゆっくり歩いた。
校門前にモデル張りに綺麗な女が、佇んでいる事に気付き顔を上げる。
黒いパンツスーツ姿のその女は白いバラの花束を片手に持ち、俺に気づくと微笑みかけてきた。
「冴子さん」
歩いていた足を止め、ジッと冴子を見る。
すると立ち止まった俺に焦れたのか?冴子が俺に向かって、近づいてきた。
俺の前まで来た冴子はピタリと足を止め、そして手に持っていた白いバラの花束を俺に手渡す。
両手で受け取ったその花束は、以外にもずっしりと重くて驚いた。