はちみつ色の太陽
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「悪いな、蜂谷。適当なとこで切り上げて帰っていいから」
「はぁい」
体育の先生の悪いとも思っていないであろう謝罪の言葉を聞きながら、私は私で生返事を返した。
放課後、太陽もすっかり雲に覆われ夕方の風が気持よく頬を撫でる頃、私は先生に頼まれたプール周りの草むしり中。
コンクリートの隙間から逞しく生い茂る緑鮮やかな草たちが、私を睨みつけている。
“ お前だけ特別扱いで補習をしないわけにもいかないし、代わりにプール周りの草むしりをしてくれ ”
昼間の水泳の授業中、先生から言われた言葉に、「気を遣って頂いて、ありがとうございます」と、返した私。
体育の先生は去年も同じ先生だったから、今年は先生も何かしらの手立てをしないといけないと思っていたんだろう。
実際、水泳の授業を受けられない私からすれば、こうやって特別扱いせずに補習の代わりの作業を言い付けてくれることはありがたいから。
だから結構ノリノリで、鼻歌なんて歌いながら草むしりをしていたんだけど……
「……何、一人で歌ってんだよ、気持ち悪いな」
周りから見たら、結構不気味だったらしい。