はちみつ色の太陽
 


背後から突然声を掛けられて、慌てて振り向けばそこにいたのは予想通り、日下部くん。


草むしりの為にしゃがみ込んでいる私とは違って、背の高い日下部くんが立っているものだから、見上げるのは首が痛い。



「ご、ごめんなさい。せっかく草むしりするなら、楽しくやった方がいいと思って……」


「だからって、歌ってる歌が演歌かよ。全然楽しくないだろ」


「え、演歌は素晴らしいんだよ!?今度オススメまとめとくから、是非YouTubeで聞いてみてよ!」


「……遠慮しとくわ」



言いながら、呆れたように溜め息を吐いた日下部くんが、ゆっくりと隣にしゃがみ込む。


肩と肩の触れ合うその距離に、ついドキドキしてしまうのは、相手が学校一のイケメンである日下部くんだからこそだろう。


 
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