はちみつ色の太陽
 


「日下部くんって……」


「何?」


「普段も……もっと、今みたいに笑ったらいいのに」


「は?」


「だって、今の笑顔、すっごくカッコ良かったよ!?なんか、凄く凄く大切な宝物を貰った気分になった!!」


「、」


「日下部くんって、ホントは全然、みんなが噂するみたいな、クールで冷たい人なんかじゃないね?」



思わず興奮気味に身を乗り出せば、一瞬グッ、と唇を引き結んだ日下部くんは、すぐに私から目を逸らしてしまった。



「……日下部、くん?」


「っ、」



沈みかけた太陽に照らされたその横顔が、なんだか赤く染まっている気がするのは―――やっぱり、夕日のせいだろうか。


 
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