はちみつ色の太陽
「……、」
「……、」
けれど、そんな普通じゃない日下部くんが去ったあとに訪れたのは、海の底に沈んだような沈黙だった。
未だに私の腕を掴んでいる白坂さんの身体は、小さく震えていて。
……そりゃあ、そうだよ。
片思いをしている相手に話し掛けたのに、返事をしてもらえないどころか存在丸ごと無視されたんだから。
もしかして、白坂さんが告白した時も日下部くんは、こんな態度だったのかな……?
だとしたら、どれだけ鬼畜なんですか……私だったら立ち直れない……
「……っ、」
そして次の瞬間、そんな私の考えを肯定するように、消えた日下部くんへと向けられたままの白坂さんの瞳から涙の雫が一筋、頬を伝って零れ落ちた。