はちみつ色の太陽
「それでも……叶わないって、わかってはいるけど……やっぱり私は日下部くんのこと、諦めたくないな……」
まるで私の心の声が聞こえたかのように、改めて口にされた力強い言葉。
更に白坂さんの力強い瞳が真っ直ぐに私へと向けられる。
「……っ、」
もしも私だったら、彼女がいる男の子のことを、こんな風に一途に想えるだろうか。
彼女にライバル宣言までして、前を向ける?
自分自身に問い掛けながら、逃げるように下へと落とした視線。
……ううん、私には、きっと無理。
別の誰かを見ている彼のことを好きでいるなんて。
叶わない、恋。
叶わない、希望。
叶わない……、夢。
――――“残念ですが、医師として問題ないとは言えません”。
叶うはずもないとわかっているのに、それでも前を向き続けるなんて――――そんなの、辛すぎるから。