はちみつ色の太陽
 



――――“ それに ”




「……誰も。本当の俺なんか見てない」




「……え?」


「アイツも、他の奴らも。見てるのは俺の外見や上っ面だけで、本当の俺を知らないから……好きだなんて、言えるんだ」


「っ、」


「本当の俺を知ったら、きっと誰も、俺のことを好きだなんて思わない」



まるで、七日間しか生きられないことを嘆く蝉のように。


苦しそうに吐き出されたその言葉に、私は返す言葉が見つからなかった。


 
< 197 / 461 >

この作品をシェア

pagetop