はちみつ色の太陽
「黙ってないで答えろ……っ!どこからどこまで聞いてたのか、もし聞いてたとしたら、今すぐ全部忘れてこの場から――――」
「にゃあん」
「っ、」
「……にゃ、ん?」
「にゃあ、にゃあ」
「…………ネコ?」
それは、唐突に訪れた神様からの救いの使者だった。
「にゃあ、にゃあ、」
怒りに染まる日下部くんの足元で、スリスリと身体を寄せながら長い尻尾を絡ませる、一匹の可愛い黒猫。
その姿に思わず目を見開けば、「チッ!」と、突然盛大な舌打ちをかました日下部くんが、その黒猫へと素早く手を差し伸べ抱き上げた。