はちみつ色の太陽
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……イライラする。
なんでこんなにイライラするのか、自分でもわからないくらいにイライラしていた。
「よ、陽くんっ、待って……!」
「、」
背後から、俺を呼び止めるシラサカとかいう女の声が聞こえるけれど、それに足を止めることなく人混みを進んでいった。
――――俺と蜂谷は、本当に付き合ってるわけじゃない。
だからシラサカが言うように、もしも高橋が蜂谷のことを気に入っていて、付き合いたいと思ってるんだとしたら。
その邪魔をする権利は……俺にはない。
寧ろ、これをキッカケに蜂谷と高橋が上手くいく……なんてこともあるかもしれないし、蜂谷の気持ちがどうなのかもわからない。
もしかしたら、少なからず高橋のことを気に入っている可能性だってあるわけだし。
だとしたら、あの場に俺がいることは、ただの邪魔でしかないと思った。
表面上は付き合ってるわけだし、彼女に好意を寄せる男のところに彼女を残してくるなんて、旗から見たらおかしいけど。
だけど実際は違うんだから、この場合の俺の選択は間違ってないはずだ。