はちみつ色の太陽
「……ミィ、危ないから出てきちゃダメって言ったろ?」
「にゃあん?」
「もしも、誰かに見つかったら、こうやって会えなくなるんだぞ?だから、大人しくしてなきゃ」
「にゃあ〜、にゃあ」
「ああ、もう。お前、ほんとに可愛いな……」
とても大切そうに黒猫を抱えながら、まるで恋人に愛の言葉を囁くように甘い声で語りかける日下部くん。
そんな日下部くんの愛に答えるように、スリスリと頬を寄せる黒猫ちゃんを胸に抱きながら、肝心の日下部くんもまた、ゆるゆると頬を緩ませ微笑んでいた。
…………萌え。
今目の前の光景を写真に収めて売りさばいたら、とんでもない値段で売れるんじゃないかな。
「ミィ、抱っこしててやるから、ちょっと大人しくしててな?俺は今、この女と大切な話が――――」
「…………ミィ?」
「は?」
「ミィ、って。その子が、ミィ?え、黒猫ちゃんが、“ミィ”?」