はちみつ色の太陽
 



俺の腕にしがみついたまま、一方的に喋り続ける女の声に、敢えて静かに耳を傾けた。


それを俺が“興味を持って聞いてくれている”と勘違いしたらしいこの女は、再び調子に乗ってペラペラと話し始める。



「それでね?愛美、ミツキちゃんにお願いされて。そろそろ陽くんのことも飽きたし、別れたいから協力してくれ……って。次は高橋くんを狙ってるから、私の邪魔だけはしないでね?って」


「……、」


「ヒドイよね、ミツキちゃん……。本当は、陽くんには黙ってろって言われたんだけど、愛美、そういうの黙ってられないタイプで……」


「……、」




「……ミツキちゃんって、嘘吐きな女の子なんだよ」



 
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