はちみつ色の太陽
「……え?」
「蜂谷が、嘘吐き?その言葉、ソックリそのまま、お前に返すよ」
ハッキリと。女の目を真っ直ぐに見ながら言葉を投げれば、女の手から力が抜けた。
それと同時、俺の腕を掴んでいたその手を取って宙(ちゅう)へと放つ。
突然の俺の言葉と行動に、女はただただ目を丸くして驚いていて。
その表情を前にしたら、再び小さく嘲笑が漏れた。
「よ、陽、くん?」
「……“別に好きでもないけど仕方なく付き合ってる”、ね。まぁ、それは確かにその通りかもな?」
実際、俺と蜂谷の間に恋愛感情みたいなものは一切なく始まった、この関係。
利害関係が一致したからこそ結ばれた、“秘密の関係”には、仕方なくという言葉が良く似合う。